増鏡 - 西園寺実氏
今日またさらに千年を約束することであろうか。昔に立ち返る住吉の松よ。
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先例のない我が身よ。どうしてこれほど年を重ねて、このような行幸に今日お仕えすることになったのだろう。
増鏡 - 弁内侍
折って挿頭にする梛の葉に吹く風のかしこさによって、ただ一人だけ道のある小車の跡であることよ。
増鏡 - 後嵯峨院
熊野川の瀬を切って渡す杉舟の、舳先に立つ波で袖が濡れてしまったことだ。
増鏡 - 後深草天皇
夕暮れに待つ時の長いことよ。千年まで変わらぬ色の、今日の先例となるべきことを。
朝日の光が今日からはっきりと見える雲の上、その空にこそ千代の色も見えることだ。
朝日の光が現れはじめる雲の上に、行く末の遠い契りを知ることだ。
増鏡 - 下野
藤の花房の影が並んで差している三笠山よ。人より高く越えた梢だと見ることだ。
思いやってほしい。三笠の山の藤の花が咲き並ぶのを、見てきたこの心を。
春雨は四方の草木を分け隔てなく降らせるけれども、その繁い恵みを受けたのは我が身であったのだ。
色とりどりに枝を連ねて咲いたことだ。花も我が世も、今が盛りであるよ。
色とりどりに栄えて美しく咲け、桜の花よ。我が君々の千代の挿頭となるように。
この春こそ心の色が開けたことだ。六十あまりの春の花は見てきたけれども。
千代といえばそれを五つ重ねて、さらに七十に余る日数である。その数を神はお忘れになるまい。
今はこれまでといって降り居る、その雲が時雨れるので、心の内までもすっかり暗くなってしまったことだ。
増鏡 - 亀山天皇
尋ね来て見飽きることのない心にまかせるならば、千年もこの花の陰で過ごすことであろうか。