古典和歌stream

増鏡 - 後鳥羽院

水無瀬山我がふる里は荒れぬらむ
まがきは野らと人もかよはで

水無瀬山の、我が故郷は荒れてしまっているだろう。籬は野原のようになって、人も通わないままに。

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増鏡 - 後鳥羽院

かざし折る人もあらばや事とはん
隠岐の深山に杉は見ゆれど

挿頭を折る人でもいてほしい、ことづてを頼もう。隠岐の深山に杉は見えているけれども。

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増鏡 - 後鳥羽院

限りあればさても堪へける身のうさよ
民のわら屋に軒をならべて

定めがあるので、それでも堪えてきた我が身のつらさよ。民の藁屋と軒を並べて。

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増鏡 - 東一条院

思ひ出づるころもはかなし我も人も
見しにはあらずたどらるる世に

思い出すその頃もはかない。私も相手も、かつて見たままの身ではなく、手探りするような世の中で。

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増鏡 - 東一条院

消えかぬる命ぞつらき同じ世に
あるも頼みはかけぬ契を

消えきらずにいる命がつらい。同じこの世にありながら、頼みをかけることもできない契りなのに。

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増鏡 - 小宰相

うしと見しありし別は藤衣
やがて着るべき門出なりけり

つらいと思ったあの時の別れは、やがてこの喪服を着ることになる門出だったのだ。

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増鏡 - 民部卿の典侍

悲しさはうき世のとがとそむけども
只恋しさのなぐさめぞなき

悲しさはつらいこの世のせいだと思って背を向けてみるけれども、ただ恋しさばかりは慰めようがない。

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増鏡 - 後鳥羽院

人心うつり果てぬる花の色に
昔ながらの山の名もうし

人の心もすっかり移り変わってしまった花の色につけて、昔のままという長等の山の名までもうとましい。

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増鏡 - 藤原家隆

なぞもかく思ひそめけん桜花
山とし高く成りはつるまで

どうしてこれほど思い染めてしまったのだろう。桜花よ、山として高くなり果てるまで。

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増鏡 - 藤原秀能

わたの原八十島かけてしるべせよ
遙かに通ふおきの釣り船

大海原の多くの島々を越えて道案内をしてくれ。遙かに通う沖の釣舟よ。

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増鏡 - 後鳥羽院

軒端あれて誰か水無瀬の宿の月
すみこしままの色やさびしき

軒端は荒れて、誰が見るだろうか、水無瀬の宿の月を。かつて澄み、また住んできたままの色は、さぞ寂しいことだろう。

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増鏡 - 藤原家隆

さびしさはまだ見ぬ島の山里を
思ひやるにもすむ心地して

寂しさというものは、まだ見たことのない島の山里を思いやるだけでも、そこに住む心地がして。

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増鏡 - 後鳥羽院

我ながらうとみ果てぬる身の上に
涙ばかりぞ面がはりせぬ

自分でもすっかりいとわしく思い果ててしまったこの身の上に、涙ばかりが昔と変わらぬ顔をしている。

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増鏡 - 後鳥羽院

故郷は入りぬる磯の草よ只
夕潮満ちて見らく少なき

故郷は、潮の入り込んだ磯の草のようなものだ。ただ夕潮が満ちて、見ることの少ないままに。

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増鏡 - 菅原為長

いにしへに名をのみ聞きて求めけん
三神の山はこれぞ其の山

昔、名前ばかりを聞いて求めたという三神の山は、これこそがその山である。

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増鏡 - 藤原経光

末遠き千代の影こそ久しけれ
まだ二葉なる岩崎の松

行く末の遠い千代の影こそが長く久しい。まだ二葉であるにすぎない岩崎の松よ。

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