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かつ消えて空に乱るる淡雪は
もの思ふ人の心なりけり

歌の意味
降るそばから消えながら、空に乱れ舞う淡雪は、物思いをする人の心そのものであったのだ。
鑑賞
巻第八 冬歌 479

詞書「雪の少し降る日、女につかはしける」
 降るそばから消えながら空に乱れ舞う淡雪は、物思いをする人の心そのものであったと詠んだ歌である。消えては乱れる淡雪に、恋に思い乱れて身も消え入りそうな自分の心を重ねている。
 詞書によれば、雪が少し降る日に、女のもとへ送った歌である。目の前の淡雪に託して、相手を思う心の乱れを伝えている。
 作者の「藤原かけもと」は藤原蔭基である。平安時代前期から中期の官人で、後撰和歌集に歌が採られているが、経歴の詳細は多く伝わらない。
 なお本文の二句は「空に乱るる」とあり、読み仮名の行の「そらもみたるる」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。

 初句「かつ消えて」の「かつ」は、一方では、すぐに、の意で、降るそばから消えて、の意である。
 二句「空に乱るる」は、空に乱れ舞う、の意で、恋に思い乱れる心を重ねている。
 三句「淡雪は」は、うすく積もって消えやすい雪は、の意である。
 四句「もの思ふ人の」は、恋の物思いをする人の、の意である。
 結句「心なりけり」の「なりけり」は気づきを表し、心であったのだ、の意である。

あわゆき:うすく積もって消えやすい雪
作者
藤原蔭基
出典
後撰和歌集
前の歌
夜を寒み寝覚めて聞けばをしぞ鳴く 払ひもあへず霜や置くらん
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白雪のふりはへてこそ訪はざらめ とくるたよりを過ぐさざらなん