飽かずして枕の上に別れにし
夢路を又も尋ねてしかな
- 歌の意味
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満ち足りないまま枕の上で別れてしまった夢の通い路を、もう一度たずねていきたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌六 1039
詞書「女のもとにまかりそめて、朝に」
満ち足りないまま枕の上で別れてしまった夢路を、もう一度たずねたい、と詠んだ歌である。初めて共に過ごした一夜を夢にたとえ、名残惜しいまま別れた夢の中の道をもう一度たどって逢いたいと願っている。
詞書によれば、女のもとに初めて通った翌朝に送った歌である。本巻の第千六十首も「夢路」を詠み、そこでは忘れ草が夢の通い路にまで生い茂ることを嘆いている。
作者の「藤原かけもと」は藤原蔭基とされるが、詳しい伝は未詳である。
初句「飽かずして」は、満ち足りないままで、の意である。
二句「枕の上に」は、枕の上で、の意で、共寝の場を示している。
三句「別れにし」は、別れてしまった、の意で、「にし」は完了と過去の助動詞である。
四句「夢路を又も」は、夢の中の通い路をもう一度、の意で、一夜の逢瀬を夢になぞらえている。本巻の第千六十首の四句にも「夢路」が詠まれている。
結句「尋ねてしかな」は、たずねて行きたいものだ、の意で、「てしかな」は自己の願望を表す終助詞である。
ゆめぢ:夢の中で通う道
まかりそむ:初めて通う
あした:翌朝
- 作者
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藤原蔭基
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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知らざりし時だに越えし相坂を などいまさらにわれ迷ふらん
- 次の歌
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音もせずなりもゆくかな鈴鹿山 越ゆてふ名のみ高く立ちつつ