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夜を寒み寝覚めて聞けばをしぞ鳴く
払ひもあへず霜や置くらん

歌の意味
夜が寒いので、目を覚まして聞くと、おしどりが鳴いている。払いのけることもできないほど、霜が羽に置いているのだろうか。
鑑賞
巻第八 冬歌 478

詞書「題しらず」
 夜が寒いので目を覚まして聞くと、おしどりが鳴いている、払いのけることもできないほど霜が羽に置いているのだろうか、と詠んだ歌である。冬の夜に聞こえるおしどりの声から、その羽に降りる霜を思いやり、夜の寒さを表している。
 おしどりは、雌雄が互いの羽に置いた霜を払い合うとされた鳥で、その霜も払いきれないほどの寒さを詠んでいる。本巻の第四百六十首の鴨の上毛の霜と同じく、水鳥の羽に置く霜を詠んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「夜を寒み」は、「~を~み」の形で理由を表し、夜が寒いので、の意である。
 二句「寝覚めて聞けば」は、目を覚まして聞くと、の意である。
 三句「をしぞ鳴く」の「をし」は、おしどりのことで、係助詞「ぞ」と連体形「鳴く」が係り結びをなしている。ここで句切れとなる。
 四句「払ひもあへず」の「あへず」は、しきれない、の意で、払いのけることもできないほど、の意である。
 結句「霜や置くらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」と係り結びをなし、霜が置いているのだろうか、の意である。

をし:おしどり、雌雄が互いの羽の霜を払い合うとされた
ねざむ:眠りから目が覚める
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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氷こそ今はすらしもみ吉野の 山の滝つ瀬声も聞こえず
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