いかにせむ命は限りあるものを
恋は忘れず人はつれなし
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろう。命には限りがあるのに、恋は忘れられず、あの人はつれない。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 642
詞書は前の歌に続き「題しらず」
命には限りがあるのに恋は忘れられず、相手はつれないままで、どうしたらよいのかと嘆く歌である。限りある命と終わらない恋、思う自分とつれない相手という二つの対比を並べ、行き場のない苦しみを表している。前歌の第六百四十一首の「つれなき人」を受けて結句を「人はつれなし」とし、命と恋を詠む点で、第六百四十六首や第六百八十二首以下の命と逢うことを詠む歌々にも通じる。
初句「いかにせむ」は、どうしたらよいだろう、の意で、ここで句切れとなる初句切れの歌である。原文は「如何せむ」と漢字で記している。
二句「命は限り」は、命には限りが、の意である。四句の「恋は」と「は」を重ねて対照させている。
三句「あるものを」は、あるのに、の意で、「ものを」は逆接を表す。
四句「恋は忘れず」は、恋は忘れられず、の意で、二句の「命は」に対して「恋は」と並べている。
結句「人はつれなし」は、あの人は冷淡だ、の意で、四句と対句をなしている。前歌の第六百四十一首の四句「つれなき人に」を受けている。
かぎり:限り。終わり、限度
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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音にのみ聞きつる恋を人知れず つれなき人にならひぬるかな
- 次の歌
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山彦も答へぬ山の呼子鳥 我ひとりのみなきやわたらむ