白雪のふりはへてこそ訪はざらめ
とくるたよりを過ぐさざらなん
- 歌の意味
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白雪が降るなか、わざわざ訪ねてはくださらないだろうが、雪が解けるように、このついでの折だけは見過ごさないでほしい。
- 鑑賞
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巻第八 冬歌 480
詞書「師氏朝臣の狩りして家の前よりまかりけるを聞きて」
白雪の降るなか、わざわざ訪ねてはくれないだろうが、近くを通るこのついでの折だけは見過ごさないでほしいと詠んだ歌である。雪に寄せて、立ち寄ってほしいという願いを伝えている。
詞書によれば、藤原師氏が狩りをして家の前を通っていったと聞いて詠んだ歌である。狩りの道すがら前を通りながら立ち寄らなかった師氏に、せめてついでの折には訪ねてほしいと訴えている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。詞書に見える藤原師氏は、藤原忠平の子で、大納言に至った人物である。
初句「白雪の」は、白雪が、の意で、二句の「ふり」を導いている。
二句「ふりはへてこそ」の「ふりはへ」は、雪が「降り」と、わざわざ、の意の「振り延へ」を掛けた掛詞である。「こそ」は強めの係助詞である。
三句「訪はざらめ」は、訪ねはしないだろうが、の意で、二句の「こそ」を受けて已然形「め」で結び、逆接で下に続いている。
四句「とくるたよりを」の「とくる」は、雪が「解くる」意で、ついでの折を、の意の「たより」へと続いている。
結句「過ぐさざらなん」の「なん」は他に対する願望を表す終助詞で、見過ごさないでほしい、の意である。
ふりはふ:雪が「降り」の意と、わざわざの意の「振り延ふ」を掛ける
たより:ついで、よい機会
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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かつ消えて空に乱るる淡雪は もの思ふ人の心なりけり
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思ひつつ寝なくに明くる冬の夜の 袖の氷は解けずもあるかな