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思ひつつ寝なくに明くる冬の夜の
袖の氷は解けずもあるかな

歌の意味
思い続けて眠れないうちに明けてしまう冬の夜の、涙に濡れた袖の氷は、解けないままであることよ。
鑑賞
巻第八 冬歌 481

詞書「題しらず」
 思い続けて眠れないうちに明けてしまう冬の夜の、袖の氷は解けないままだと詠んだ歌である。恋しさに眠れず流した涙が袖で凍りつき、夜が明けても解けないさまに、思いの深さを表している。
 本巻の第四百六十三首も、涙に濡れた袖が凍ることを詠んでおり、袖の氷に恋の涙を重ねる趣向が共通している。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「思ひつつ」は、思い続けて、の意で、「つつ」は反復と継続を表す接続助詞である。
 二句「寝なくに明くる」の「なく」は打消しの助動詞「ず」のク語法で、眠れないうちに明けてしまう、の意である。
 三句「冬の夜の」は、冬の夜の、の意である。
 四句「袖の氷は」は、涙に濡れて凍った袖の氷は、の意である。
 結句「解けずもあるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、解けないままであることよ、の意である。

ぬ:寝る、眠る
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
白雪のふりはへてこそ訪はざらめ とくるたよりを過ぐさざらなん
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あらたまの年を渡りてあるが上に 降り積む雪の絶えぬ白山