秋の野の草葉も分けぬ我が袖の
露けくのみもなりまさるかな
- 歌の意味
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秋の野の草葉をかき分けて歩いたわけでもない私の袖が、露にぬれるばかりでなく、ますますぬれまさることよ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 832
詞書「題しらず」
秋の野の草葉を分けて歩いたわけでもないのに、私の袖は露に濡れるばかりか、ますます濡れていくと詠む歌である。草葉の露ではなく恋の涙で袖が濡れることを、秋の野の露に寄せて詠んでいる。
初句「秋の野の」は、秋の野の、の意である。ここから秋の景物を詠む歌が続く。
二句「草葉も分けぬ」は、草葉をかき分けて歩いたわけでもない、の意である。
三句「我が袖の」は、私の袖が、の意である。
四句「露けくのみも」は、露に濡れるばかりで、の意で、露に涙を重ねている。前歌の第八百三十一首の結句「おきゐたる露」と、露を共有している。
結句「なりまさるかな」は、ますますそうなることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
くさば:草葉。草の葉
なりまさる:成り勝る。ますますそうなる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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思ひ知る人に見せばや夜もすがら 我がとこなつにおきゐたる露
- 次の歌
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我が背子が来まさぬ宵の秋風は 来ぬ人よりも恨めしきかな