わが宿の尾花が上の白露を
消たずて玉に貫くものにもが
- 歌の意味
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わが家の尾花の上に置いた白露を、消さずに玉として糸に通せるものであったらなあ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 305
詞書「題しらず」
わが家の尾花の上に置いた白露を、消さずに玉として糸に通せたらよいのにと願った歌である。すぐに消えてしまう露の美しさを、玉として残しておきたいという心を表している。
万葉集巻八にも、大伴家持の歌としてほぼ同じ形で見える。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「わが宿の」は、わが家の、の意で、本巻の第二百九十九首と同じ初句である。
二句「尾花が上の」は、尾花の上の、の意である。
三句「白露を」は、白露を、の意で、前歌に続いて白露を詠んでいる。
四句「消たずて玉に」は、消さずに玉として、の意である。本巻の第三百七首、第三百十二首も、白露を玉として糸に通すことを詠んでいる。
結句「貫くものにもが」の「もが」は願望の終助詞で、糸に通せるものであればなあ、の意である。
ぬく:糸などを通してつらねる
けつ:消す
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋萩の枝もとををになりゆくは 白露重く置けばなりけり
- 次の歌
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さを鹿の立ちならす小野の秋萩に 置ける白露我も消ぬべし