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秋萩の枝もとををになりゆくは
白露重く置けばなりけり

歌の意味
秋萩の枝もたわむほどにしなっていくのは、白露が重く置くからであったのだ。
鑑賞
巻第六 秋歌中 304

詞書「題しらず」
 秋萩の枝がたわむほどしなっていくのは、白露が重く置いているからであったと気づいた歌である。花の重みかと見えたしなりを、露の重さによるものと捉え、露のしとどに置く秋の深まりを表している。
 前歌の袖に置く露に続き、本歌は萩の枝に重く置く露を詠んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「秋萩の」は、秋萩の、の意で、本巻の第三百一首と同じ初句である。
 二句「枝もとををに」の「とををに」は、枝がたわみしなうさまを表す。
 三句「なりゆくは」は、なっていくのは、の意である。
 四句「白露重く」は、白露が重く、の意で、露の多さを示している。
 結句「置けばなりけり」の「ば」は理由、「けり」は気づきの詠嘆で、置くからであったのだ、の意である。

とをを:枝などがたわみしなうさま
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
わが袖に露ぞ置くなる天の河 雲のしがらみ波や越すらん
次の歌
わが宿の尾花が上の白露を 消たずて玉に貫くものにもが