我ばかり我を思はむ人もがな
さてもや憂きと世を試みん
- 歌の意味
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私があの人を思うほどに、私のことを思ってくれる人がいればよいのに。そうであってもなお、男女の仲はつらいものかどうか試してみたい。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 995
詞書は前の歌に続き「題しらず」
私が思うのと同じほどに私を思ってくれる人がいればよい、そうであってもなお男女の仲はつらいものかどうか試してみたい、と詠む歌である。片思いのつらさに苦しむ者が、互いに思い合う恋ならばつらくはないのではないかと願う心を詠んでいる。
初句「我ばかり」は、私が思うほどに、の意である。本巻の第九百五十四首の四句「いと我ばかり」と、同じ語を共有している。
二句「我を思はむ」は、私を思ってくれるような、の意で、「む」は婉曲を表す助動詞である。初句と二句で「我」を重ねている。
三句「人もがな」は、人がいればよいのに、の意で、「もがな」は願望を表す終助詞である。ここで句切れとなる。
四句「さてもや憂きと」は、そうであってもなおつらいかと、の意で、係助詞「や」が結句と係り結びをなしている。
結句「世を試みん」は、男女の仲を試してみよう、の意で、「世」は男女の仲、「ん」は意志の助動詞の連体形で四句の「や」の結びである。
こころみる:試みる。ためしてみる
よ:世。ここでは男女の仲
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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忘れぬる君はなかなかつらからで 今まで生ける身をぞ怨むる
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あやしくも厭ふにはゆる心かな いかにしてかは思ひ絶ゆべき