山深み主に似たる植ゑ木をば
見えぬ色とぞ言ふべかりける
- 歌の意味
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山が深いので、主に似たこの植木は、人の目には見えない色だと言うべきであったよ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1230
詞書「返し」
山が深いので、主に似た植木は、見えない色と言うべきであった、と詠んだ歌である。前歌で真延が木を主の変わらぬ心にたとえたのを受け、深い山に住む主の心のように、この木の色も人目には見えないものだと戯れて応じているとみられる。
前歌の真延法師の歌に対する、行明親王の返しである。
作者の「行明のみこ」は行明親王である。宇多天皇の皇子で、若くして亡くなった。
初句「山深み」は、山が深いので、の意で、「み」は原因、理由を表す。山深くに住む主を思わせている。
二句「主に似たる」は、主に似ている、の意で、前歌の四句「主に似たる」をそのまま受けている。
三句「植ゑ木をば」は、植木を、の意で、前歌の結句「植ゑ木なりけり」を受けている。
四句「見えぬ色とぞ」は、目に見えない色と、の意で、「ぞ」は強意の係助詞である。前歌の二句「色も心も」の「色」を受けている。
結句「言ふべかりける」は、言うべきであった、の意で、四句の「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
あるじ:主人
- 作者
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行明親王
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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風霜に色も心も変はらねば 主に似たる植ゑ木なりけり
- 次の歌
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大堰川浮かべる舟のかがり火に をぐらの山も名のみなりけり