植ゑし時契りやしけん武隈の
松をふたたびあひ見つるかな
- 歌の意味
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植えた時に約束でもしたのだろうか。武隈の松に、ふたたび巡り会ったことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1241
詞書「陸奥の守にまかり下れりけるに、武隈の松の枯れて侍りけるを見て、小松を植ゑ継がせ侍りて、任果ててのち又同じ国にまかりなりて、かの前の任に植ゑし松を見侍りて」
植えた時に約束したのだろうか、武隈の松にふたたび会ったことだ、と詠んだ歌である。陸奥守として植え継いだ小松に、再任して再び会えた喜びと不思議な縁を、松と交わした約束にたとえている。
詞書によれば、作者が陸奥守として下った時、武隈の松が枯れていたのを見て小松を植え継がせ、任期を終えた後、また同じ国の守となって、前の任期に植えた松を見て詠んだ歌である。
作者の「藤原もとよしの朝臣」は藤原元善である。平安時代前期の官人で、陸奥守を務めた。
初句「植ゑし時」は、植えた時に、の意で、前の任期に小松を植えた時をいう。
二句「契りやしけん」は、約束でもしたのだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「けん」で結ぶ係り結びとなっている。ここで句切れとなる。
三句「武隈の」は、陸奥の国の武隈の、の意で、二木の松で知られる歌枕である。
四句「松をふたたび」は、松にもう一度、の意で、再任して再び見たことをいう。
結句「あひ見つるかな」は、巡り会ったことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
たけくま:陸奥の国の地名、武隈の松で知られる歌枕
うゑつぐ:枯れたものの後に植えて継ぐ
にん:国司などの任期
- 作者
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藤原元善
- 出典
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後撰和歌集
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たらちめはかかれとてしもむばたまの 我が黒髪を撫でずやありけん
- 次の歌
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菅原やふしみの暮れに見渡せば 霞にまがふ小初瀬の山