菅原やふしみの暮れに見渡せば
霞にまがふ小初瀬の山
- 歌の意味
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菅原の伏見の里で、日暮れに臥して見渡すと、霞にまぎれて見分けがたい小初瀬の山であることよ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌三 1242
詞書「伏見といふ所にて、その心をこれかれ詠みけるに」
菅原の伏見の夕暮れに見渡すと、霞にまぎれる小初瀬の山であることよ、と詠んだ歌である。「伏見」の名に「臥し見」を掛け、横になって遠く眺める夕暮れの春霞の景を詠んでいる。
詞書によれば、伏見という所で、その地名の意味を人々がそれぞれ詠んだ時の歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「菅原や」は、大和の国の菅原の、の意で、「や」は詠嘆を表す。
二句「ふしみの暮れに」の「ふしみ」は、地名の「伏見」と、横になって見る意の「臥し見」を掛けた掛詞で、詞書の「その心」を詠み込んでいる。
三句「見渡せば」は、遠く見渡すと、の意である。
四句「霞にまがふ」は、霞にまぎれて見分けがつかない、の意である。
結句「小初瀬の山」は、大和の国の初瀬山、の意で、「小」は接頭語である。体言止めとなっている。
ふしみ:大和の国の地名「伏見」の意と、横になって見る意の「臥し見」を掛ける
まがふ:入り混じって見分けがつかない
をはつせ:大和の国の初瀬の美称
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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植ゑし時契りやしけん武隈の 松をふたたびあひ見つるかな
- 次の歌
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言の葉もなくて経にける年月に この春だにも花は咲かなん