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我ならぬ草葉も物は思ひけり
袖より外に置ける白露

歌の意味
私ではない草葉も物思いをしていたのだ。涙に濡れる私の袖のほかにも置いている白露を見ると。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1281

詞書「左大臣の家にて、かれこれ題を探りて歌詠みけるに、露といふ文字を得侍りて」
 私ではない草葉も物思いをするのだ、袖のほかに置く白露を見ると、と詠んだ歌である。白露を涙に見立て、涙に濡れる自分の袖だけでなく草葉にも露が置くのを見て、草葉も物思いをしていると興じている。
 詞書によれば、左大臣の家で人々が題を探り取って歌を詠んだ時、「露」という文字を得て詠んだ歌である。左大臣は藤原実頼を指すとみられる。
 作者の「ふぢはらのただくに」は藤原忠国である。平安時代中期の官人とみられるが、詳しい伝は未詳である。

 初句「我ならぬ」は、私ではない、の意である。
 二句「草葉も物は」は、草の葉も、の意である。
 三句「思ひけり」は、物思いをしていたのだ、の意で、「けり」は気づきを表す。ここで句切れとなり、下の句と倒置になっている。
 四句「袖より外に」は、涙に濡れる私の袖のほかに、の意である。
 結句「置ける白露」は、置いている白露、の意で、露を涙に見立て、体言止めとなっている。

さぐる:題をくじのように探り取る
作者
藤原忠国
出典
後撰和歌集
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