人ごとに今日今日とのみ恋ひらるる
都近くもなりにけるかな
- 歌の意味
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誰もが皆、今日こそ、今日こそと、ひたすら恋しく思われる都が、近くなってきたことだ。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1362
詞書「法皇遠き所に山踏みしたまうて、京に帰りたまふに旅宿りしたまうて、御供にさぶらふ道俗歌詠ませたまひけるに」
誰もが今日こそと恋しく思う都が近くなった、と詠んだ歌である。法皇の山歩きの御供をして長い旅を続け、帰途に都が近づいた喜びを、一行の皆の思いを代弁して詠んでいる。
詞書によれば、宇多法皇が遠い所へ山歩きをされ、京へ帰られる途中で旅の宿りをされた時に、御供の僧と俗人に歌を詠ませられたので、詠んだ歌である。
作者の聖宝は、原文に「僧正聖宝」とあり、真言宗の僧で、醍醐寺を開き、僧正に至った。没後に理源大師と諡された。
初句「人ごとに」は、誰もが皆、の意で、御供の一行の皆をいう。
二句「今日今日とのみ」は、今日こそ、今日こそとばかり、の意で、同じ語を重ねて待ちわびる心を表している。
三句「恋ひらるる」は、恋しく思われる、の意で、「らるる」は自発を表す。
四句「都近くも」は、都が近くにも、の意である。
結句「なりにけるかな」は、なってきたことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
やまぶみ:山歩き、山を巡って修行すること
だうぞく:僧と俗人
- 作者
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聖宝
- 出典
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後撰和歌集
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足柄の関の山路を行く人は 知るも知らぬも疎からぬかな
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照る月の流るる見れば天の川 出づる港は海にぞありける