一節に千代をこめたる杖なれば
つくともつきじ君が齢は
- 歌の意味
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竹の一節に千年の命を込めた杖なので、どれほど突いても、あなたの齢は尽きることがないだろう。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 276
詞書「同じ賀に、竹の杖作りて侍りけるに」
竹の一節ごとに千年の命を込めた杖だから、いくら突いても君の寿命は尽きないと詠む歌である。杖を「突く」と齢が「尽く」とを掛けた機知によって、長寿を祝っている。詞書によれば、前歌と同じ承平四年の中宮の賀に、竹の杖を作って贈った時の歌である。
作者の「大中臣頼基」は、伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、自らも祭主を務めた。大中臣能宣の父で、三十六歌仙に数えられる。
初句「一節に」は、竹の一つの節に、の意である。
二句「千代をこめたる」は、千年を込めた、の意である。
三句「杖なれば」は、杖であるので、の意である。本巻の第二百八十首、第二百八十一首にも竹の杖を詠む賀の歌がある。
四句「つくともつきじ」は、杖を突く意の「突く」と、尽きる意の「尽く」とを掛け、突いても尽きることはないだろう、の意となる。「じ」は打消推量の助動詞である。
結句「君が齢は」は、あなたの寿命は、の意で、倒置によって主語を最後に置いている。
つく:杖を突く意と、尽きる意とを掛ける
ひとふし:竹などの一つの節
よはひ:年齢。寿命
- 作者
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大中臣頼基
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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色変へぬ松と竹とのすゑのよを いづれ久しと君のみぞ見ん
- 次の歌
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君が世を何にたとへんさざれ石の 巌とならんほども飽かねば