- 歌の意味
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山里の垣根には春の訪れがはっきりわかるのだろうか。霞が立つより先に、鶯が鳴いている。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 6
詞書「後冷泉院の御時、皇后宮の歌合によみ侍りける」
後冷泉天皇の時代に、皇后藤原寛子のもとで催された歌合で詠んだ歌である。春のしるしである霞もまだ立たないうちから、山里の垣根では鶯が鳴いている。鶯には春の訪れがはっきりわかるのだろうか、と鶯の敏感さに感じ入っている。
作者の「大納言隆国」は源隆国である。権大納言源俊賢の子で、権大納言に至った。宇治に住んで宇治大納言と呼ばれ、説話集宇治大納言物語の編者とされる。
初句「山里の」は、都を離れた山中の里をいう。前歌の第五首が谷の鶯を詠んだのに対し、本歌は人の住む山里の垣根に鶯を置いている。
二句「垣根に春や」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らむ」と係り結びをなす。
三句「しるからむ」の「しるし」ははっきりしている意の形容詞で、「らむ」は現在推量の助動詞の連体形である。春がはっきりとわかるのだろうか、の意で、ここで句切れとなる。
四句「霞まぬ先に」は、霞がかかる前に、の意である。第一首以来、霞は春の到来を目に見せるものとして詠まれており、その霞よりも鶯が先んじることをいう。
結句「鶯の鳴く」は連体形で言いさした形で、三句までの推量の理由をあとから示す倒置の効果をもつ。
かきね:家の周りを囲う垣
かすむ:霞がかかってぼんやりと見える
- 作者
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源隆国
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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春立てば雪の下水うち解けて 谷の鶯今ぞ鳴くなる
- 次の歌
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煙かと室の八島を見しほどに やがても空の霞みぬるかな