庭の面に散りて積もれる紅葉葉は
九重に敷く錦なりけり
- 歌の意味
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庭の上に散って積もった紅葉は、宮中に幾重にも敷きつめた錦なのであった。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌下 369
詞書「近衛院御時、禁庭落葉といへる心をよめる」
近衛天皇の時代に、「禁庭落葉」、すなわち宮中の庭の落葉という題で詠んだ歌である。宮中の庭の上に散り積もった紅葉は、九重の宮中に幾重にも敷きつめた錦なのであった、と詠む。散り敷いた紅葉を錦に見立て、宮中の庭の華やかさをたたえている。
作者の「藤原公重朝臣」は藤原通季の子である。院政期の歌人である。
初句「庭の面に」の「面」は表面で、庭の上に、の意である。題の「禁庭」を示す。
二句「散りて積もれる」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、散って積もっている、の意である。
三句「紅葉葉は」は、主題を示し、下の句で見立てを示す。
四句「九重に敷く」の「九重」は宮中、皇居をいい、幾重にも重なる意も響かせる。本巻の第三百六十四首第三百六十五首の「散りしく」と同じく、紅葉が敷きつめられたさまを詠む。
結句「錦なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、錦なのであった、と見立てを示して結ぶ。
ここのへ:宮中、皇居
おも:表面
しく:一面に広げて敷く
- 作者
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藤原公重
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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秋といへば岩田の小野の柞原 時雨も待たず紅葉しにけり
- 次の歌
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今日見れば嵐の山は大井川 紅葉吹きおろす名にこそありけれ