かくしつつつひに泊まらむ蓬生の
思ひ知らるる草枕かな
- 歌の意味
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こうして旅を続けながら、最後には泊まることになるだろう蓬の生い茂る野が、おのずと思い知らされる草枕であることだ。
- 鑑賞
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巻第八 羈旅歌 537
詞書「修行にまかり歩きけるに、野中に宿りて侍りける夜、旅の枕露しげく侍りけるによめる」
修行の旅で歩いていた時、野中に宿った夜、旅の枕に露がしげく置いたので詠んだ歌である。こうして旅を続けながら、最後には泊まることになるだろう蓬の生い茂る野が思い知らされる草枕であることだ、と詠む。野宿の露けき枕に、やがて自分が行き倒れて葬られる野を思い、修行者としての無常の覚悟を表している。
作者の「円玄法師」は藤原俊保の子の僧である。
初句「かくしつつ」は、このようにしながら、の意で、修行の旅を続けることをいう。
二句「つひに泊まらむ」の「つひに」は最後には、「む」は推量の助動詞「む」の連体形で、最後には泊まることになるだろう、の意である。生涯の終わりに行き着く場所を暗示する。
三句「蓬生の」の「蓬生」は蓬の生い茂る荒れた野で、亡骸を葬る野を思わせる。
四句「思ひ知らるる」の「るる」は自発の助動詞「る」の連体形で、自然と思い知らされる、の意である。
結句「草枕かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、野宿の草枕が死後の野を思わせるという感慨をこめる。
よもぎふ:蓬の生い茂る荒れた所
くさまくら:草を結んで枕とすること、旅寝
- 作者
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円玄
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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旅寝する須磨の浦路の小夜千鳥 声こそ袖の波はかけけれ
- 次の歌
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旅寝する木の下露の袖にまた 時雨降るなり小夜の中山