- 歌の意味
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柴で屋根を葺いた粗末な宿に降る霰の音に夢から覚めて、明け方に残る有明の月を見ることだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1014
詞書「山家暁霞といへる心を詠める」
「山家の暁の霞」という題で詠んだ歌である。柴で葺いた宿に降る霰の音に夢から覚めて、明け方の月を見ることだ、と詠む。山の粗末な住まいで、屋根を打つ霰の音に目を覚まし、ふと外を見ると有明の月が残っていたという、冬の明け方の山家の寂しく冴えた情景を描いている。ただし歌は霞ではなく霰と有明の月を詠んでいる。
作者の「大江公景」は平安時代後期の歌人で、伝記の詳細は明らかでない。
本巻の第千五首が山深い松の嵐の中での寝覚めの月を詠むのに対し、本歌は霰の音による寝覚めの月を詠み、山中の寝覚めに見る月の歌として通っている。
初句「真柴葺く」は、柴で屋根を葺いた、の意で、粗末な山家を表す。「真」は美称の接頭語である。
二句「宿の霰に」は、宿の屋根を打つ霰の音に、の意である。
三句「夢覚めて」は、夢から覚めて、の意である。本巻の第千五首の四句「寝覚めに」と応じる。
四句「有明方の」は、有明の月の残る明け方の、の意である。
結句「月を見るかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、月を見ることだ、の意である。
ましば:柴、雑木の小枝。「ま」は美称の接頭語
ふく:屋根を葺く
ありあけがた:有明の月の残る明け方
- 作者
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大江公景
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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何となくながむる袖の乾かぬは 月の桂の露や置くらん
- 次の歌
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あしひきの山の端近く住むとても 待たでやは見る有明の月