- 歌の意味
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菅の生い茂る山かげの下水に宿る夜は、月までもが菅に囲まれた草の庵に宿って、その戸を閉ざしているかのようだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1017
詞書「月照山水といへる心を」
「月、山水を照らす」という題で詠んだ歌である。菅の生える山の下水に宿る夜は、月までもが草の庵を閉ざすことだ、と詠む。山陰を流れる水に月が映ると、周りに生い茂る菅に囲まれて、まるで月も旅人のように草の庵に宿り、戸を閉ざしているようだと見立てている。「さす」には、戸を閉ざす意と光が射す意が掛けられている。
作者の「法眼長真」は平安時代後期の僧で、法眼の位にあった。伝記の詳細は明らかでない。
本巻の第千十二首の「跡なき水に宿る月」と、水に宿る月を詠む点で通っている。本歌はさらに、宿る月を草の庵に泊まる旅人に見立てている。
初句「真菅生ふる」は、菅の生い茂る、の意で、「真」は美称の接頭語である。六音の字余りである。
二句「山下水に」は、山陰を流れる水に、の意である。
三句「宿る夜は」は、月の影が水に映る夜は、の意で、月が宿を取る意を重ねている。本巻の第千十二首の結句「宿る月かな」と応じる。
四句「月さへ草の」の「さへ」は添加の副助詞で、旅寝をする人だけでなく月までもが、の意である。
結句「庵をぞさす」の「さす」は、戸を閉ざす意と、月の光が射す意を掛ける掛詞である。「ぞ」は強意の係助詞で、連体形の「さす」で結ぶ。
ますげ:菅。「ま」は美称の接頭語
やましたみづ:山陰を流れる水
いほり:草木で作った粗末な仮小屋
さす:戸を閉ざす意と、光が射す意を掛ける
- 作者
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長真
- 出典
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千載和歌集
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もろともに秋をや偲ぶ霜枯れの 荻の上葉を照らす月影
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深き夜の露吹き結ぶ木枯らしに 空冴えのぼる山の端の月