- 歌の意味
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山風に吹かれて、真屋の葦葺きの屋根も荒れてしまったことだ。そのすき間から枕もとに宿る夜半の月の光よ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1019
詞書「荒屋月といへる心を」
「荒れた家の月」という題で詠んだ歌である。山風に真屋の葦葺きの屋根も荒れてしまった、枕に宿る夜半の月の光よ、と詠む。山風に吹き荒らされて屋根の葦も乱れ、そのすき間から月の光が漏れて枕もとまで射し込んでくるという、荒れた住まいのわびしさと、それゆえに見られる月の美しさを詠んでいる。
作者の「覚延法師」は平安時代後期の僧で、伝記の詳細は明らかでない。
前歌の第千十七首の「草の庵」に月が宿る趣向に続き、本歌は荒れた家の枕に月が宿ると詠み、住まいに宿る月の歌が続いている。
初句「山風に」は、山から吹き下ろす風によって、の意である。
二句「真屋の葦葺き」の「真屋」は切妻造りの家、「葦葺き」は葦で屋根を葺いたものである。
三句「荒れにけり」の「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形、「けり」は詠嘆で、荒れてしまったことだ、の意である。ここで句切れとなる。
四句「枕に宿る」は、屋根のすき間から漏れた月の光が枕もとに射し込む、の意である。前歌の第千十七首の三句「宿る夜は」と応じる。
結句「夜半の月影」は、夜中の月の光で、体言止めとなっている。
まや:切妻造りの家
あしぶき:葦で屋根を葺くこと、またその屋根
つきかげ:月の光
- 作者
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覚延
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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深き夜の露吹き結ぶ木枯らしに 空冴えのぼる山の端の月
- 次の歌
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山深み誰又かかる住まひして 真木の葉分くる月を見るらん