秋の野に誰を誘はむ行き帰り
ひとりははぎを見るかひもなし
- 歌の意味
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秋の野に、誰を誘おうか。行き帰りに、ひとりで萩を見ても、そのかいもない。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1176
詞書「鳥羽箒」
物名の歌で、「とりははき」という語を、四句の「ひとりははぎを」の中に隠して詠み込んでいる。鳥羽箒は、鳥の羽で作った箒である。秋の野に誰を誘おうか、行き帰りにひとりで萩を見てもかいがない、と詠む。美しい萩の花も、共に見る人がいなければ見るかいがないという、ひとりの寂しさを詠んでいる。
作者の「刑部卿頼輔母」は刑部卿藤原頼輔の母で、大納言藤原忠教の妻である。
物名の一連の八首目である。
初句「秋の野に」は、秋の野に、の意で、萩の咲く野を言う。
二句「誰を誘はむ」の「む」は意志の助動詞で、誰を誘おうか、の意である。ここで句切れとなる。
三句「行き帰り」は、野への行き帰りに、の意である。
四句「ひとりははぎを」は、ひとりで萩を、の意で、「ひとりははぎ」の中に物名の「とりははき」が隠されている。
結句「見るかひもなし」は、見るかいもない、の意で、共に見る人のいない寂しさを言う。
とりははき:鳥の羽で作った箒、物名の題として四句に隠されている
はぎ:秋の七草の一つ、秋の野に紅紫色の花を咲かせる
- 作者
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藤原頼輔母
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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世とともに心をかけて頼めども われからかみのかたきしるしか
- 次の歌
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秋は霧きりすぎぬれば雪降りて 晴るる間もなき深山辺の里