入る月を見るとや人は思ふらん
心をかけて西に向かへば
- 歌の意味
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沈んでゆく月を眺めているのだと、人は思っているのだろうか。わたしが心をかけて西に向かっているので。
- 鑑賞
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巻第十九 釈教歌 1208
詞書「寄月念極楽といへる心を詠み侍りける」
月に寄せて極楽を念ずる、という題の心を詠んだ歌である。入る月を見ていると人は思うだろうか、心をかけて西に向かっているので、と詠む。西方には阿弥陀仏の極楽浄土があり、西に向かうのは往生を願う姿である。人の目には西に沈む月を眺めていると見えようが、実は極楽を念じているのだと、月と極楽とを重ねている。
作者の「堀川入道左大臣」は源俊房である。右大臣源師房の子で、左大臣に至り、堀川左大臣と呼ばれ、のちに出家した。
初句「入る月を」は、西の山に沈んでゆく月を、の意である。
二句「見るとや人は」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」で結ぶ。
三句「思ふらん」の「らん」は現在推量の助動詞「らむ」の連体形で、係り結びの結びとなる。人は思っているだろうか、の意で、ここで句切れとなる。
四句「心をかけて」は、心を寄せて、の意で、極楽を一心に念ずることを言う。
結句「西に向かへば」の「西」は阿弥陀仏の極楽浄土のある方角で、倒置によって三句の理由を示している。
ごくらく:阿弥陀仏のいる西方の浄土
- 作者
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源俊房
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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月影の常にすむなる山の端を 隔つる雲のなからましかば
- 次の歌
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薪尽き煙も澄みて去りにけん これや名残と見るぞ悲しき