長き夜もむなしき物と知りぬれば
早く明けぬる心地こそすれ
- 歌の意味
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長い夜もむなしいもの、空なるものだと知ってしまうと、早くも明けてしまった心地がすることだ。
- 鑑賞
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巻第十九 釈教歌 1230
詞書「法花経の、我等長夜修習空法の心を詠める」
法華経信解品の、われらは長い夜の間、空の法を修め習った、という句の心を詠んだ歌である。長い夜もむなしいものと知れば、早く明けた心地がする、と詠む。経文の「長夜」は迷いの世の長い時を言う。その長い夜も空であると悟れば、迷いの闇はたちまち明け、悟りの朝を迎えた心地がすると詠んでいる。
作者の「前中納言師仲」は源師仲である。権中納言源師時の子で、権中納言に至った。平治の乱に連座して配流された。
前歌の第千二百二十九首の「むなしき」を受け、空の教えを詠む歌が続いている。
初句「長き夜も」の「長き夜」は経文の「長夜」を和らげたもので、迷いの世の長い時を言う。
二句「むなしき物と」は、空なるものと、の意で、前歌の第千二百二十九首の初句「むなしきも」を受けている。
三句「知りぬれば」の「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形で、知ってしまうと、の意である。
四句「早く明けぬる」は、早くも明けてしまった、の意で、悟りを夜明けにたとえている。初句の「長き夜」と対をなしている。
結句「心地こそすれ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形の「すれ」で結ぶ。
ぢやうや:長い夜、迷いの世の長い時
- 作者
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源師仲
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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むなしきも色なるものと悟れとや 春の御空の緑なるらん
- 次の歌
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鷲の山月を入りぬと見る人は 暗きに迷ふ心なりけり