古典和歌stream

竹取物語

海山の道に心をつくし果て
ないしの鉢のなみだ流れき

海山の道を遠く、精一杯探して鳴いても石の鉢がないので、血の涙がながれました。

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竹取物語

置く露の光をだにぞ宿さまし
をぐらの山にて何もとめけん

仏の石の鉢ならば露ほどの光だけでもあるでしょうに、黒いばかりのこの石、小倉山で何を探したのでしょう。

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竹取物語

白山にあへば光も失するかと
鉢を捨てても頼まるるかな

白山のような真っ白いあなたの前では光も消え失せるのかと、鉢を捨て恥を忘れてなおも、期待が寄せられることです。

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竹取物語

いたづらに身はなしつとも玉の枝を
手折らで更に帰らざらまし

命を捨てても、蓬莱の玉の枝を手折らなければ、帰って来なかったでしょう。 (蓬莱の玉の枝を持参したからには、私の求婚に答えてもらうまでは帰りません。)

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竹取物語

限りなき思ひに焼けぬ皮衣
袂かはきて今日こそは着め

果てしなく強い恋の思いにも皮衣を手に入れた喜びに、涙に濡れた袂も乾いた。今日こそこの着物を着よう

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竹取物語

名残なく燃ゆとしりせば皮衣
思ひの外にをきて見ましを

跡かたもなく燃えると知っていたなら、火にくべたりしないで見ていたものを(にせものとは知りもしないので、心配し火にくべてみたのです。)

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竹取物語

呉竹の世世の竹取野山にも
さやは侘びしきふしをのみ見し

代々竹を取って生業として来た私たちも、野山にこもっても、それほどまでの辛い思いばかりではありませんでした。

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竹取物語

わが袂今日かはければ侘しさの
千種の数も忘られぬべし

潮と涙に濡れた私の袂が、今日(うれしさに)乾いたので、つらかった多くのことも忘れてしまうでしょう。

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竹取物語

真実かと聞きてみつれば言の葉を
飾れる玉の枝にぞありける

話を聞き、本物かと思ってみていたら、言の葉でごまかした玉の枝であった

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竹取物語

年を経て波立ち寄らぬ住の江の
まつかひなしと聞くはまことか

何年経っても子安貝をお持ちいただくのをお待ちしておりますが、子安貝が取れなかったので待つ効(かい)がないと聞いたが、それは本当でしょうか。

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竹取物語

かひはなくありけるものを詫び果てて
死ぬる命を救ひやはせぬ

子安貝はこのとおりなかったのが、つらさを極めて死んでいく私の命を救ってはくれぬだろうか。

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竹取物語

かえるさの行幸物憂く思ほえて
背きてとまるかくや姫ゆゑ

私の願いに背いて竹取の家にとどまるかぐや姫のために、還幸が何がなくつらく思われる。

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竹取物語

葎はふ下にも年は経ぬる身の
何かは玉の台をも見む

葎が生い茂るこの竹取の家で、永年すごして来た私のようなものが、どうしてりっぱな御殿を見ましょうか。帝のもとでの宮仕えなどかんがえてもおりません。

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竹取物語

今はとて天の羽衣着る折ぞ
君を哀れと思ひ知りぬる

今は、これまでと思って天の羽衣を着るにあたり、君(帝)のありがたさを改めて思い知った。

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竹取物語

逢ふ事も涙に浮かぶ我が身には
死なぬ薬も何にかはせん

かぐや姫に逢うこともできず、わが身が浮かぶほど悲しみの涙を流しているのに、不死になることに何の意味があるというのか

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