古典和歌stream

古今和歌集 - 僧正遍昭

よそに見てかへらむ人にふぢの花
はひまつれよえだはをるとも

藤の花よ、よそよそしく花だけを見て帰る人にまつわりつけ。たとえ枝が折れようとも

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古今和歌集 - 凡河内みつね

わがやどにさける藤波たちかへり
すぎがてにのみ人の見るらむ

わたしの家に咲いた藤の花を人々が引きかえし、通りすぎかねてみているようだ。

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古今和歌集 - よみ人しらず

今もかもさきにほふらむ橘の
こじまのさきの山吹の花

昔と変わらずに今も咲き匂っているだろうか、橘（たちばな）の小島の崎の山吹の花は。

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古今和歌集 - よみ人しらず

春雨ににほへる色もあかなくに
かさへなつかし山吹の花

春雨であざやかに映える色だけでも飽きないのに、さらに香りにまで心ひかれることだ、この山吹の花は。

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古今和歌集 - よみ人しらず

山ぶきはあやななさきそ花見むと
うゑけむ君がこよひこなくに

山吹はわけも理由もなく咲いてくれるな。一緒に花を見ようと植えた方が今夜は来ないのだから。

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古今和歌集 - 紀貫之

吉野川岸の山吹ふくかぜに
そこの影さへうつろひにけり

吉野川の岸辺に咲く山吹の花は、風に吹かれて川底に映っていた影までもいっしょに散ってしまった。

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古今和歌集 - よみ人しらず

かはづなくゐでの山吹ちりにけり
花の盛りにあはまし物を

かじか蛙が鳴いている井手の山吹はすでに散ってしまった。そうとわかっていたなら、もっと早く来て花の盛りを見たものを。

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古今和歌集 - 素性法師

おもふどち春の山辺にうちむれて
そこともいはぬたびねしてしが

気心のあったもの同士、春の山辺を連れ立って歩き回り、どこへ行くと何も決めずに旅寝をしたいものだ。

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古今和歌集 - 凡河内みつね

あづさゆみ春たちしより年月の
いるがごとくもおもほゆるかな

春になってからは、年月が矢を射るように早く過ぎてゆくと思われることだ。

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古今和歌集 - 紀貫之

なきとむる花しなければうぐひすも
はては物うくなりぬべらなり

うぐいすは花が散るのを鳴いて止めようとしたが、すべて散ってしまって終いには鳴くのが億劫になってしまったようだ。

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古今和歌集 - 深養父

花ちれる水のまにまにとめくれば
山には春もなくなりにけり

花が散って流れている川をさかのぼって、花を求めて来たところ、山には花もなく春さえもなくなっていた。

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古今和歌集 - 藤原おきかぜ

こゑたえずなけやうぐひすひととせに
ふたたびとだにくべき春かは

うぐいすよ、声が絶えないように鳴け。一年に二度と来るはずの春であろうか。

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古今和歌集 - 凡河内みつね

とどむべき物とはなしにはかなくも
ちる花ごとにたぐふこころか

とどめておくおことができるものではないのに、むなしくも散っていく花に心がひかれてゆくことだ。

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古今和歌集 - 在原業平朝臣

ぬれつつぞしひてをりつる年の内に
春はいくかもあらじと思へば

雨に濡れながら無理に折り取った。一年のうちに春は幾日もないと思えばこそ。

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古今和歌集 - 凡河内みつね

けふのみと春をおもはぬ時だにも
立つことやすき花のかげかは

春を今日かぎりと思わない時でさえも、花の咲いている所から立ち去ることが容易であろうか。

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古今和歌集 - よみ人しらず

わがやどの池の藤波さきにけり
山郭公いつかきなかむ

わたしの屋敷の池のほとりにある藤の花が咲いた。山のほととぎすは、いつ来て鳴くであろうか。

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