水の面にあや吹き乱る春風や
池の氷を今日は解くらむ
- 歌の意味
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水面に綾模様のさざ波を吹き乱している春風が、池の氷を今日は解かしているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 11
詞書「初春の歌とて」
初春の池の水面に春風がさざ波を立てるのを見て、その風が今日こそ池の氷を解かしているのだろうと推し量った歌である。水面の波紋を綾織物の模様に見立て、春の訪れを繊細にとらえている。
詞書によれば、初春を題として詠まれた歌である。春風が氷を解くという発想は、古今和歌集の紀貫之の立春の歌「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」にも見られる。
作者の紀友則は紀有朋の子で、紀貫之の従兄にあたる。古今和歌集の撰者の一人であったが、完成前に没した。三十六歌仙の一人である。
初句「水の面に」は、池の水面を示す。
二句「あや吹き乱る」の「あや」は綾織物の模様で、風が水面に立てるさざ波の模様を見立てている。
三句「春風や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らむ」と呼応する。春風は次歌の第十二首の「吹く風」とも響き合っている。
四句「池の氷を」は、冬の間に張った池の氷を示す。
結句「今日は解くらむ」の「らむ」は現在推量で、今まさに氷を解かしているのだろうと推し量っている。
あや:綾織物の模様、ここでは水面のさざ波の模様
- 作者
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紀友則
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ふるさとの野辺見にゆくといふめるを いざもろともに若菜摘みてん
- 次の歌
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吹く風や春立ち来ぬと告げつらん 枝にこもれる花咲きにけり