- 歌の意味
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里ごとに鳴いて渡り歩いているのだ、ほととぎすは。住みかを定めないあなたを尋ね求めるといって。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 548
詞書「返し」
ほととぎすが里ごとに鳴いて渡り歩くのは、住みかの定まらないあなたを探し求めるためだ、と詠んだ歌である。前歌で浮気なほととぎすにたとえられたのを受け、移り気なのはむしろ女のほうだと切り返している。
前歌への返歌である。前歌の「郭公」を受けて同じく三句に置き、「わが宿近く鳴く声」に対して「里ごとに鳴き」と返している。
作者の「あつよしのみこ」は敦慶親王である。宇多天皇の皇子で、容姿が美しく玉光宮と称された。伊勢との間に中務をもうけた。
初句「里ごとに」は、どの里にも、の意である。
二句「鳴きこそ渡れ」は、鳴いて渡り歩くのだ、の意で、係助詞「こそ」と已然形「渡れ」が係り結びをなしている。ここで句切れとなる。
三句「郭公」は、ほととぎすで、前歌の三句と同じ語を置き、自らをたとえている。
四句「すみか定めぬ」は、住みかを定めない、の意で、浮気な女をいっている。
結句「君尋ぬとて」は、あなたを尋ね求めるといって、の意で、二句の理由を倒置して示している。
すみか:住む所
- 作者
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敦慶親王
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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つらしともいかが恨みん郭公 わが宿近く鳴く声はせで
- 次の歌
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数ならぬみ山隠れの郭公 人知れぬ音をなきつつぞ経る