誰となくかかるおほみに深からん
色を常盤にいかが頼まん
- 歌の意味
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誰にということもなく掛けられる大忌の日陰のかずらに見える深い色を、どうして変わらないものとして頼みにできようか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 736
詞書「返し」
誰にでも掛かる大忌の日陰のかずらの深い色を、どうして変わらぬものと頼めようか、と詠んだ返歌である。誰にでも同じように言い寄る心ではないかと、相手の言葉の真実味を疑ってみせている。
前歌の第七百三十五首に対する返しである。
作者の「閑院のおほい君」は、閑院の大君と呼ばれた女性である。経歴は詳しく伝わらない。
初句「誰となく」は、誰にということもなく、の意である。次歌の第七百三十七首の初句も「誰となく」で、同じ句を共有している。
二句「かかるおほみに」の「かかる」は、日陰のかずらが「懸かる」と、このような、の意の「かかる」を掛ける掛詞である。「おほみ」は神事に奉仕する人々をいう大忌と解されている。
三句「深からん」は、深いだろう、の意である。
四句「色を常盤に」は、色を変わらないものとして、の意で、前歌の初句「常盤なる」と四句「心の色に」を受けている。
結句「いかが頼まん」は、どうして頼みにできようか、の意で、反語を表す。
かかる:日陰のかずらが「懸かる」意と、このような、の意を掛ける
おほみ:神事に奉仕する人々をいう大忌
- 作者
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閑院大君
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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常盤なる日陰のかづら今日しこそ 心の色に深く見えけれ
- 次の歌
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誰となくおぼろに見えし月影に 分ける心を思ひ知らなん