もろともにおきゐし秋の露ばかり
かからむものと思ひかけきや
- 歌の意味
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共に起きて過ごした秋の、置いた露ほどにも、このようになるものと思いもかけただろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1408
詞書「同じ年の秋」
共に起きていた秋の露ほどにも、こうなるものと思いもかけただろうか、と詠んだ歌である。先坊と共に過ごした秋を思い出し、その時には露ほどにも、こうして親王を失うことになろうとは思いもしなかったと嘆いている。
詞書によれば、先坊が亡くなった同じ年の秋に詠んだ歌である。先坊は、醍醐天皇の皇太子で、即位することなく若くして亡くなった保明親王を指す。
作者の「玄上朝臣女」は藤原玄上の娘である。詳しい伝は未詳である。
初句「もろともに」は、一緒に、の意である。
二句「おきゐし秋の」の「おき」は、露が「置き」と、人が「起き」を掛けた掛詞で、共に起きて過ごした秋の、の意である。
三句「露ばかり」は、露ほども、少しも、の意で、秋の露を重ねている。
四句「かからむものと」の「かから」は、「斯から」と、露が「掛から」を掛けた掛詞で、このようになるものと、の意である。
結句「思ひかけきや」は、思いもかけただろうか、の意で、「や」は反語を表す。「置く」「掛かる」は「露」の縁語である。
おく:露が「置く」意と、人が「起く」意を掛ける
かかる:「斯かる」意と、露が「掛かる」意を掛ける
- 作者
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藤原玄上の娘
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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音に立ててなかぬ日はなし鶯の 昔の春を思ひやりつつ
- 次の歌
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世の中の悲しきことをきくの上に 置く白露ぞ涙なりける