春風はのどけかるべし八重よりも
重ねてにほへ山吹の花
- 歌の意味
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閏月のある今年の春風は、のどかであるにちがいない。八重よりもさらに重ねて美しく咲け、山吹の花よ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑春歌 1059
詞書「三月閏月ありける年、八重山吹を詠み侍りける」
閏三月のある今年の春風はのどかであるにちがいない、八重よりもさらに重ねて美しく咲け、山吹の花よと詠む歌である。詞書から、三月に閏月があった年に、八重山吹を詠んだ歌とわかる。閏月によって春が一月重なることを、八重の花びらの重なりに結びつけ、例年以上に咲き重なれと山吹に呼びかけている。
作者の菅原輔昭は、菅原文時の子で、平安中期の文人である。
初句「春風は」は、春風は、の意で、本巻の第千三十五首の初句「春風は」と同じ句を共有している。
二句「のどけかるべし」は、のどかであるにちがいない、の意で、閏月で春が長いことをいう。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「八重よりも」は、八重よりも、の意で、八重山吹の花びらの重なりをいう。
四句「重ねてにほへ」は、さらに重ねて美しく咲け、の意で、「にほへ」は命令形である。閏月で春が重なることを響かせている。
結句「山吹の花」は、山吹の花よ、と呼びかける句で、体言止めである。
うるふづき:閏月。暦を調整するために加える月
にほふ:匂ふ。色美しく咲き映える
- 作者
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菅原輔昭
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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年ごとに春はくれども池水に 生ふるぬなはは絶えずぞ有りける
- 次の歌
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浦人は霞を網に結べばや 波の花をもとめて引くらん