- 歌の意味
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花盛りの春の山のあたりを見渡すと、空までも花の色に美しく照り映えているような気持ちがすることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 51
詞書は前の歌に続き「京極の家にて十種供養し侍りける時、白河院御幸せさせ給ひて、またの日歌奉らせ給ひけるによみ侍りける」
前歌と同じく、藤原師実の京極の邸での十種供養に白河院が御幸された翌日、院の求めに応じて詠んだ歌である。花盛りの春の山々を見渡すと、桜の色が空にまで映って、空さえも美しく照り映えているように感じられると詠む。山を埋めつくす桜の華やかさを、空にまで広げてとらえている。
作者の「後二条関白内大臣」は藤原師通である。京極前太政大臣藤原師実の子で、内大臣を経て関白となったが、三十八歳で世を去った。後二条関白と呼ばれ、日記後二条師通記を残した。
初句「花盛り」は、桜の花の盛りをいう。
二句「春の山辺を」は、春の山のあたりを、の意である。
三句「見渡せば」は、見渡すと、の意である。巻頭の第一首が霞の野を見渡したのに対し、本歌は花盛りの山を見渡しており、春の深まりが示される。
四句「空さへ匂ふ」の「さへ」は添加の副助詞で、山ばかりでなく空までも、の意となる。「匂ふ」は美しく照り映える意である。本巻の第二十八首「声さへ匂ふ」と同じく、「さへ匂ふ」で花の美しさの広がりを表す。
結句「心地こそすれ」は、「こそ」と已然形「すれ」の係り結びで、本巻の第二十四首と同じ結句である。
やまべ:山のあたり
- 作者
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藤原師通
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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桜花多くの春に逢ひぬれど 昨日今日をやためしにはせむ
- 次の歌
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咲き匂ふ花のあたりは春ながら 絶えせぬ宿のみゆきとぞ見る