外山には柴の下葉も散り果てて
遠の高嶺に雪降りにけり
- 歌の意味
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人里近い山では、柴の下葉まですっかり散ってしまって、遠くの高嶺には雪が降ったことだ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 453
詞書は前の歌に続き「京極前太政大臣の高陽院の家の歌合に、雪の歌とてよみ侍りける」
高陽院での歌合で、雪の題で詠んだ歌である。人里近い山では柴の下葉まですっかり散ってしまい、遠くの高嶺には雪が降った、と詠む。近くの山の落葉と遠くの山の雪とを対比させ、冬の深まりを遠近の二つの景によって描いている。
作者の「藤原顕綱朝臣」は藤原兼経の子である。母は弁乳母で、讃岐守などを務め、讃岐入道と呼ばれた。
第四百五十二首から第四百五十四首までの三首は、京極前太政大臣藤原師実が高陽院で催した歌合、いわゆる高陽院七番歌合の雪の歌である。この歌合は寛治八年(1094)に催された。
初句「外山には」の「外山」は人里に近い山、端山で、四句の「遠の高嶺」と対比される。
二句「柴の下葉も」の「柴」は山野に生える雑木、「下葉」は下のほうの葉で、最後まで残る葉をいう。
三句「散り果てて」は、すっかり散ってしまって、の意である。
四句「遠の高嶺に」の「遠」は遠く、遠方である。初句の「外山」と、近と遠、低と高の対比をなす。前歌の第四百五十二首の「高嶺」と同じ語であり、本巻の第四百九首の「遠の外山」とも呼応する。
結句「雪降りにけり」の「けり」は詠嘆の助動詞で、雪が降ったのだ、と気づきを示す。
とやま:人里に近い山、端山
しば:山野に生える雑木
したば:草木の下のほうの葉
をち:遠く、遠方
- 作者
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藤原顕綱
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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おしなべて山の白雪積もれども しるきは越の高嶺なりけり
- 次の歌
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雪降れば谷の懸け橋埋もれて 梢ぞ冬の山路なりける