我が恋は年経るかひもなかりけり
うらやましきは宇治の橋守
- 歌の意味
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私の恋は、長い年月を経てもそのかいがないことだ。うらやましいのは、年を経たことでいとおしまれる宇治の橋守である。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 724
詞書は前の歌に続き「題しらず」
私の恋は年を経たかいもなかった、うらやましいのは宇治の橋守である、と詠む。古今和歌集の「ちはやぶる宇治の橋守なれをしぞあはれとは思ふ年の経ぬれば」を本歌とし、年を経たことで人にいとおしまれる宇治の橋守と、長年思い続けても相手に顧みられない自分とを対比している。
作者の「藤原顕方」は平安時代後期の官人、歌人である。経歴の詳細は多く伝わらない。
本歌は古今和歌集の雑歌上に収められた読人しらずの「ちはやぶる宇治の橋守」の歌である。
初句「我が恋は」は、私の恋は、の意である。
二句「年経るかひも」の「年経る」は年月を経る、の意である。本歌の「年の経ぬれば」を踏まえる。
三句「なかりけり」の「けり」は詠嘆の助動詞で、かいもなかったことだ、の意である。ここで句切れとなる。
四句「うらやましきは」は、うらやましいのは、の意である。
結句「宇治の橋守」は宇治橋を守る番人で、本歌で年を経たためにいとおしまれた存在である。体言止めで、うらやむ対象を示して結ぶ。
うぢのはしもり:宇治橋を守る番人
- 作者
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藤原顕方
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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せきかぬる涙の川の早き瀬は 逢ふよりほかのしがらみぞなき
- 次の歌
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なれて後死なん別れの悲しきに 命に代へぬ逢ふこともがな