朝露を日たけて見れば跡もなし
萩の末葉にものや問はまし
- 歌の意味
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朝露を、日が高くなってから見ると跡かたもない。萩の葉先に、露はどうしたのかと尋ねてみようか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1186
詞書「萩の露の玉と見ゆるとて折りけれども、露もなかりければ詠める」
萩に置いた露が玉のように見えるので枝を折ったところ、露がすっかり消えていたので詠んだ歌である。朝露を日が高くなって見れば跡もない、萩の末葉に尋ねようか、と詠む。玉と見えた露がはかなく消えていた落胆を、萩の葉に露の行方を尋ねようかと戯れて詠んでいる。
作者の「藤原為頼朝臣」は藤原雅正の子で、紫式部の伯父にあたる。
誹諧歌の一連の七首目で、秋の萩の露を詠む。
初句「朝露を」は、朝に置く露を、の意である。次歌の第千百八十七首の三句「朝露を」と同じ句で、本歌が消えた露を、次歌が玉と見える露を詠んで対をなしている。
二句「日たけて見れば」の「日たく」は、日が高く昇る、の意である。
三句「跡もなし」は、跡かたもない、の意で、ここで句切れとなる。
四句「萩の末葉に」の「末葉」は、草木の枝先の葉である。
結句「ものや問はまし」の「まし」はためらいの意を表す助動詞で、「や」とともに、尋ねてみようか、の意となる。
うらば:草木の枝先の葉
ひたく:日が高く昇る
- 作者
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藤原為頼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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秋来れば秋の気色も見えけるは 時ならぬ身と何にいふらん
- 次の歌
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茅花生ひし小野の芝生の朝露を ぬき散らしける玉かとぞ見る