我が宿の花にな鳴きそ呼子鳥
呼ぶかひありて君も来なくに
- 歌の意味
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我が家の花に来て鳴かないでおくれ、呼子鳥よ。呼ぶ甲斐があって、あなたが来てくれるわけでもないのに。
- 鑑賞
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巻第二 春歌中 79
詞書「呼子鳥を聞きて、隣の家に送り侍りける」
我が家の花に来て鳴く呼子鳥に、鳴いても甲斐がないから鳴かないでくれと呼びかけ、その歌を隣家に贈った歌である。人を呼ぶような名の鳥が鳴いても、隣の人は訪ねて来ないと、軽い恨みを込めて誘いかけている。
詞書によれば、呼子鳥の声を聞いて、隣の家に贈ったものである。
作者の「はるみちのつらき」は春道列樹である。新名宿禰の子で、太宰大典などを務め、壱岐守に任じられたが赴任する前に没した。
初句「我が宿の」は、我が家の、の意である。本巻の第七十七首も同じ「我が宿の」で始まっている。
二句「花にな鳴きそ」の「な〜そ」は禁止を表し、花に来て鳴かないでおくれ、の意である。
三句「呼子鳥」は、人を呼ぶように鳴くとされる鳥である。ここで句切れとなる。
四句「呼ぶかひありて」は、呼子鳥の名の「呼ぶ」を受けて、呼ぶ甲斐があって、の意を表す。
結句「君も来なくに」の「なくに」は、来ないのだから、と理由を表す。前歌の第七十八首が疎遠になった人に花を口実に便りをしたのに対し、本歌は隣人の訪れを花と鳥に託して待っている。
よぶこどり:人を呼ぶように鳴くとされる鳥、カッコウなどにあてる説がある
かひ:しただけの値打ち、効き目
- 作者
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春道列樹
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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年を経て花のたよりに言問はば いとどあだなる名をや立ちなん
- 次の歌
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ふりぬとていたくなわびそ春雨の ただにやむべきものならなくに