秋来れば思ふ心ぞ乱れつつ
まづ紅葉葉と散りまさりける
- 歌の意味
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秋が来ると、物思う心が乱れて、まず紅葉の葉のように、いっそう散り乱れることだ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 331
詞書は前の歌に続き「月を見て」
秋が来ると物思いをする心が乱れ、まず紅葉の葉のように、いっそう散り乱れると詠んだ歌である。散り乱れる紅葉に、乱れて定まらない心を重ねている。
本巻の第三百二十七首から第三百三十四首までは、詞書「月を見て」のもとに歌が八首並んでいる。詞書は「月を見て」とあるが、本歌は月ではなく、紅葉に寄せて秋の物思いを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋来れば」は、秋が来ると、の意である。巻第五の第二百四十四首、第二百六十二首も同じ初句で始まっている。
二句「思ふ心ぞ」は、物思いをする心が、の意で、「ぞ」は係助詞である。
三句「乱れつつ」の「つつ」は継続を表し、乱れながら、の意である。
四句「まづ紅葉葉と」は、まず紅葉の葉のように、の意である。次歌の第三百三十二首も四句から結句にかけて「紅葉」を詠んでいる。
結句「散りまさりける」は、いっそう散ることだ、の意で、二句の「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなしている。
もみぢば:色づいた木の葉
ちりまさる:いっそう散る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋風に波や立つらん天の河 渡る瀬もなく月の流るる
- 次の歌
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消えかへり物思ふ秋の衣こそ 涙の河の紅葉なりけれ