花すすきそよともすれば秋風の
吹くかとぞ聞くひとり寝る夜は
- 歌の意味
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花すすきがそよと音を立てると、秋風が吹くのかと聞くことだ。ひとりで寝る夜は。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 353
詞書「寛平御時后の宮の歌合に」
ひとりで寝る夜は、花すすきがそよと鳴るだけでも、秋風が吹いたのかと耳をそばだててしまうと詠んだ歌である。眠れぬまま小さな物音にも心を動かす、ひとり寝のさびしさを表している。
詞書によれば、宇多天皇の寛平の時代に、天皇の母后である班子女王の名のもとに催された歌合で詠まれたものである。前歌に続いて花すすきを詠み、前歌が穂に出るすすきの姿を見たのに対し、本歌はすすきの音を聞いている。
作者の在原棟梁は在原業平の子で、筑前守などを務めた。寛平御時后宮歌合に名を連ねる歌人で、子に在原元方がいる。
初句「花すすき」は、穂の出たすすきで、前歌の三句と同じ語である。
二句「そよともすれば」の「そよ」は、すすきの葉や穂が風に鳴る音で、そよと音を立てると、の意である。
三句「秋風の」は、秋風が、の意である。
四句「吹くかとぞ聞く」は、吹いたのかと聞く、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「聞く」が係り結びをなす。ここで句切れとなる。
結句「ひとり寝る夜は」は、ひとりで寝る夜は、の意で、四句と倒置の関係にあり、そのように聞こえる時を最後に示している。
そよ:草木の葉が風に鳴る音
- 作者
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在原棟梁
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋風にあひとしあへば花すすき いづれともなくほにぞ出でける
- 次の歌
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花すすきほに出でやすき草なれば 身にならんとはたのまれなくに