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花すすきほに出でやすき草なれば
身にならんとはたのまれなくに

歌の意味
花すすきは穂に出やすい草なので、実を結ぶとは頼みにできないことだ。
鑑賞
巻第七 秋歌下 354

詞書「題しらず」
 花すすきはすぐに穂に出る草なので、実を結ぶとは頼みにできないと詠んだ歌である。人目につきやすく浮ついた恋は、実を結ぶとは期待できないと、すすきに託して嘆いている。
 本巻の第三百五十二首から続く花すすきの歌の三首目である。第三百五十二首が「ほにぞ出でける」と結んだのを受け、穂に出ることのはかなさを詠んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「花すすき」は、穂の出たすすきで、第三百五十二首の三句、前歌の初句と同じ語である。
 二句「ほに出でやすき」の「ほ」は、すすきの「穂」と、表に表れる意の「秀」を掛けた掛詞で、人目につきやすい恋を寓している。
 三句「草なれば」は、草なので、の意である。
 四句「身にならんとは」の「身」は、草の「実」と、わが「身」を掛け、実を結ぶとは、の意である。
 結句「たのまれなくに」の「れ」は可能の助動詞「る」の未然形で、頼みにできないことだ、の意である。「なくに」は詠嘆を込めて結んでいる。

ほ:すすきの「穂」と、表に表れる意の「秀(ほ)」を掛ける
み:草の「実」と、わが「身」を掛ける
たのむ:あてにする、頼みにする
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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花すすきそよともすれば秋風の 吹くかとぞ聞くひとり寝る夜は
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秋風に誘はれわたる雁がねは 雲居はるかに今日ぞ聞こゆる