わびしさを同じ心と聞くからに
我が身を捨てて君ぞ悲しき
- 歌の意味
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つらさをあなたも同じ心で感じていると聞くとすぐに、わが身のことはさておいて、あなたがいとしくてならない。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 595
詞書「返し」
つらさをあなたも同じ心で感じていると聞くとすぐに、わが身のことは捨ておいて、あなたがいとしくてならない、と詠んだ歌である。前歌の問いに答え、相手を思う気持ちが自分のことより先に立つと伝えている。
前歌の中務の歌への返歌である。前歌の「同じ心に」を受けて「同じ心と」と返している。
作者の源信明は、源公忠の子である。中務と恋の歌を交わしたことで知られ、三十六歌仙の一人である。
初句「わびしさを」は、つらさを、の意である。
二句「同じ心と」は、同じ心で感じていると、の意で、前歌の二句「同じ心に」を受けている。
三句「聞くからに」は、聞くとすぐに、の意である。
四句「我が身を捨てて」は、わが身のことはさておいて、の意である。
結句「君ぞ悲しき」の「悲し」は、いとしい、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「悲しき」が係り結びをなしている。
わびしさ:つらさ、心細さ
- 作者
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源信明
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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はかなくて同じ心になりにしを 思ふがごとは思ふらんやぞ
- 次の歌
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定めなくあだに散りぬる花よりは 常磐の松の色をやは見ぬ