思ひきやあひ見ぬことをいつよりと
数ふばかりになさん物とは
- 歌の意味
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思っただろうか。逢わずにいることを、いつからだったかと数えるほどまで長く続けることになろうとは。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 668
詞書「久しう逢はざりける女に、つかはしける」
逢わずにいることを、いつからかと数えるほど長く続けることになろうとは思っただろうか、と詠んだ歌である。逢えない日々の長さを、思いもよらなかった嘆きとして表している。
詞書によれば、長く逢わずにいた女に送った歌である。
作者の「源さねあきら」は源信明である。源公忠の子で、陸奥守などを務めた。三十六歌仙の一人で、中務との恋の贈答でも知られる。
初句「思ひきや」は、思っただろうか、いや思いもしなかった、の意の反語で、ここで句切れとなる。
二句「あひ見ぬことを」は、逢わずにいることを、の意である。
三句「いつよりと」は、いつからだったかと、の意である。
四句「数ふばかりに」は、数えるほどまでに、の意である。
結句「なさん物とは」は、することになろうとは、の意で、初句と倒置の関係にある。
あひみる:逢う、契りを結ぶ
- 作者
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源信明
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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これはかくうらみ所もなきものを うしろめたくは思はざらなん
- 次の歌
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世の常の音をし泣かねば逢ふことの 涙の色も殊にぞありける