これはかくうらみ所もなきものを
うしろめたくは思はざらなん
- 歌の意味
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この手紙はこのように、恨むところも、裏を見ることもないものなのに。どうか、気がかりには思わないでほしい。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 667
詞書「異女の文を、妻の見むと言ひけるに見せざりければ、恨みけるに、その文の裏に書きつけてつかはしける」
この手紙はこのように恨むところもないものだから、気がかりに思わないでほしい、と詠んだ歌である。ほかの女からの手紙を見せずに妻に恨まれた男が、やましいことはないと言い訳している。
詞書によれば、ほかの女からの手紙を妻が見たいと言ったのに見せなかったので、妻が恨んだため、その手紙の裏に書きつけて送った歌である。手紙の裏に書いたことにちなみ、「うらみ」に「裏見」を掛けている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「これはかく」は、この手紙はこのように、の意である。
二句「うらみ所も」の「うらみ」は、「恨み」と、手紙の「裏見」を掛けた掛詞である。
三句「なきものを」は、ないものなのに、の意で、ここで句切れとなる。
四句「うしろめたくは」は、気がかりには、の意である。
結句「思はざらなん」は、思わないでほしい、の意で、「なん」は他に対する願望を表す終助詞である。
うらみどころ:「恨み」どころの意と、手紙の「裏見」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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さても猶まがきの島のありければ 立ち寄りぬべく思ほゆるかな
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思ひきやあひ見ぬことをいつよりと 数ふばかりになさん物とは