定めなくあだに散りぬる花よりは
常磐の松の色をやは見ぬ
- 歌の意味
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定めなく、はかなく散ってしまう花よりは、いつも変わらぬ常磐の松の色を、どうして見ないのか。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 596
詞書「まからずなりにける女の、人に名立ちければつかはしける」
定めなくはかなく散る花よりも、変わらない常磐の松の色をなぜ見ないのか、と詠んだ歌である。通わなくなった女がほかの男と噂になったのを移り気な花にたとえ、変わらぬ心の自分を松にたとえて責めている。
詞書によれば、通わなくなった女が、ほかの男との噂になったので送った歌である。次歌は女の返歌で、二首は贈答の一組となっている。
作者の源信明は、源公忠の子である。中務と恋の歌を交わしたことで知られ、三十六歌仙の一人である。
初句「定めなく」は、定まることなく、の意である。
二句「あだに散りぬる」は、はかなく散ってしまう、の意で、女の移り気をたとえている。
三句「花よりは」は、花よりは、の意である。
四句「常磐の松の」は、いつも緑の変わらない松の、の意で、自らの変わらぬ心をたとえている。次歌の四句「松より外の」がこれを受けている。
結句「色をやは見ぬ」の「やは」は反語で、色をどうして見ないのか、の意である。
ときは:常に変わらないこと
- 作者
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源信明
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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わびしさを同じ心と聞くからに 我が身を捨てて君ぞ悲しき
- 次の歌
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すみよしの我が身なりせば年経とも 松より外の色を見ましや