死ぬ死ぬと聞く聞くだにも逢ひ見ねば
命をいつの世にか残さん
- 歌の意味
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死ぬ死ぬと言うのを聞きながらさえ、あなたは逢ってくれないのだから、この命を、いったいいつの世まで残しておけばよいのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 708
詞書「返し」
死ぬ死ぬと聞いていながら逢ってくれないのでは、命をいつの世まで残しておけようか、と詠んだ返歌である。からかわれたことに対し、逢ってくれないかぎり命は長くもたないと、あらためて切実さを訴えている。
前歌の第七百七首に対する返しである。
作者の源信明は、源公忠の子で、陸奥守などを務めた。三十六歌仙の一人で、中務との恋の贈答でも知られる。
初句「死ぬ死ぬと」は、死ぬ死ぬと、の意で、前歌の二句「たびたび死ぬと」を受けている。
二句「聞く聞くだにも」は、聞きながらさえも、の意で、初句の「死ぬ死ぬ」と同じく語を重ねて調子を整えている。
三句「逢ひ見ねば」は、逢ってくれないので、の意である。
四句「命をいつの」は、命をいつの、の意で、前歌の四句「逢ふには何を」に対し、命を引き換えに出すことで応じている。
結句「世にか残さん」は、世まで残しておけようか、の意で、「か」は反語の係助詞であり、連体形「ん」で結ぶ係り結びとなっている。
あひみる:男女が逢う、契りを結ぶ
- 作者
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源信明
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いたづらにたびたび死ぬと言ふめれば 逢ふには何をかへむとすらん
- 次の歌
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絵にかける鳥とも人を見てしがな 同じ所を常にとふべく