はかなくて同じ心になりにしを
思ふがごとは思ふらんやぞ
- 歌の意味
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いつのまにか、たよりなくも同じ心になってしまったけれど、私が思うのと同じように、あなたも思っているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 恋歌一 594
詞書「男のもとにつかはしける」
いつのまにか互いに同じ心になったけれど、私が思うように、あなたも思っているのだろうか、と詠んだ歌である。心を通わせた相手に、自分と同じだけ思ってくれているかを確かめようとしている。
詞書によれば、男のもとへ送った歌である。次歌は源信明の返歌で、二首は贈答の一組となっている。中務と源信明は恋の歌を多く交わしたことで知られる。
作者の中務は、敦慶親王と伊勢の娘である。母に劣らぬ歌人として知られ、三十六歌仙の一人である。
初句「はかなくて」は、たよりなく、いつのまにか、の意である。
二句「同じ心に」は、同じ心に、の意で、次歌の二句「同じ心と」がこれを受けている。本巻の第五百九十二首の二句も「同じ心に」と置いている。
三句「なりにしを」は、なってしまったけれど、の意で、「を」は逆接の接続助詞である。
四句「思ふがごとは」は、私が思うのと同じようには、の意である。
結句「思ふらんやぞ」は、思っているのだろうか、の意で、「や」は疑問を表し、「ぞ」は念を押す気持ちを表している。
おなじこころ:互いに通い合う同じ思い
- 作者
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中務
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人知れず思ふ心は大島の なるとはなしに嘆くころかな
- 次の歌
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わびしさを同じ心と聞くからに 我が身を捨てて君ぞ悲しき