吉野山絶えず霞のたなびくは
人に知られぬ花や咲くらん
- 歌の意味
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吉野山に絶えず霞がたなびいているのは、人に知られない花が咲いているからだろうか。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 37
詞書「題しらず」
吉野山に霞が絶えずたなびいているのは、人目に知られずに咲いている花を隠しているからだろうかと推し量る歌である。見えない花の存在を、霞から想像している。
作者の「中務」は、宇多天皇の皇子敦慶親王と歌人伊勢との間に生まれた娘である。三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「吉野山」は、本巻の第四首に続き吉野を詠む。雪の山として詠まれた吉野が、ここでは花の山として現れる。
二句「絶えず霞の」は、絶えず霞が、の意である。
三句「たなびくは」は、霞が横に長く引くさまで、「は」が提示を表す。
四句「人に知られぬ」は、人に知られない、人目につかない意である。
結句「花や咲くらん」は、「や」の係り結びで「らん」で結び、目に見えない花を推量する。
たなびく:霞や雲が横に長く引く
- 作者
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中務
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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咲けば散る咲かねば恋し山桜 思ひ絶えせぬ花の上かな
- 次の歌
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咲き咲かずよそにても見む山桜 峰の白雲立ちな隠しそ