ひとりのみ思へば苦しいかにして
同じ心に人を教へむ
- 歌の意味
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自分ひとりだけで思っていると苦しい。どうにかして、私と同じ心になるようにあの人に教えたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 602
詞書「女のもとに初めてつかはしける」
自分ひとりで恋い慕っているのは苦しい、どうにかして相手にも同じ心を教えたい、と詠んだ歌である。片思いの苦しさを率直に述べ、相手にも同じ思いを抱いてほしいと願っている。
詞書によれば、女のもとへ初めて送った歌である。前歌に続き、初めて送る恋の歌三首の二首目にあたる。
作者の壬生忠岑は、古今和歌集の撰者の一人である。三十六歌仙の一人で、小倉百人一首には「有明のつれなく見えし別れより」の歌が採られている。
初句「ひとりのみ」は、自分ひとりだけで、の意である。本巻の第六百九十首も初句を「ひとりのみ」とし、二句を「恋ふれば苦し」としており、本歌の上の句とよく似た形をとっている。
二句「思へば苦し」は、恋い慕っていると苦しい、の意で、ここで句切れとなる。
三句「いかにして」は、どのようにして、どうにかして、の意である。
四句「同じ心に」は、私と同じ心になるように、の意である。
結句「人を教へむ」は、あの人に教えたい、の意で、「む」は意志を表す。
をしふ:教える、知らせる
- 作者
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壬生忠岑
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人を見て思ふ思ひもあるものを 空に恋ふるぞはかなかりける
- 次の歌
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我が心いつ習ひてか見ぬ人を 思ひやりつつ恋しかるらん